占いコラム|ゾディアック・マン~12星座と身体の照応③
2018年7月19日
◆12星座でリンクする身体と精神の機能
12星座と聞けば、多くの人々は各星座に特有の性格的な特徴があることをご存知だと思います。牡羊座(おひつじ座)は「エネルギッシュで勇敢」、牡牛座(おうし座)は「頑固でマイペース」、双子座(ふたご座)は「好奇心旺盛で話し好き」etc…。長い歴史を通じて見出されてきたそれらの12星座のキャラクターは、実はゾディアック・マンが象徴する身体器官の構造や働きとも不思議な相関関係を示しています。
たとえば乙女座(おとめ座)は「几帳面で整理整頓が得意」などと言われていますが、それは太陽が乙女座(おとめ座)を通過する8月末から9月末あたりの季節が、畑の土壌を整えて麦を植え付ける準備が行われる季節にあたっていたことに由来します。一方では乙女座(おとめ座)に対応する身体の期間は「腸」ですが、この内臓は胃から送られてきた食物の消化をさらに進め、そこから生命の維持に必要な水分と栄養素と、そうでない非栄養素を細かく分類する役割を担っています。この腸の生理的な機能は、枯れた木の根や石ころ等の不純物を土から取り去るという農作業にとても良く似ていると同時に、「物事の細部にこだわる完全主義者」という典型的な乙女座(おとめ座)の性格にも通じるところがないでしょうか?
また、占星医学では山羊座(やぎ座)は全身の骨と関節に対応するとされていますが、それは山羊座(やぎ座)を支配する土星が宇宙の最果てにある「冷たく」「乾いている」「硬い」惑星だと信じられてきたからです。そして数ある身体の関節の中でも、膝関節がその代表となっていることがまた興味深いのです。膝関節は人間が過労や体調不良で倒れそうな時に最後まで力を抜かずにふんばろうとするパーツであり、実際電車で吊り革につかまったまま眠りそうになり、膝から「ガクッ」となった経験をお持ちの方は多いと思います。星占いで山羊座(やぎ座)が「社会のルールを重んじる」「責任感があるハードワーカー」といった評価を受けているのは、この星座に生まれた人々の潜在意識の中に「我々が気を緩めずに規則を守り、与えられた職務を遂行しているから、この世が成り立っている」という自負があるからなのかもしれません。
◆「ムーン・ウォーク」を生んだ魚座(うお座)の月
歴史に名を残す著名人の思想や功績、あるいはラフスタイルの中にもまた、非常に興味深いゾディアック・マンの反映が見られることがあります。彼らはある星座に特有のパーソナリティーを表現すると同時に、そこに関連したボディー・パーツにも強い関心やコンプレックスも示すケースがあるのです。
たとえばルネサンス時代のドイツの画家アルブレヒト・デューラー(1471-1528)は双子座(ふたご座)に太陽と月、金星、土星の4つもの惑星が集合している特別なタイミングで生まれていますが、それは彼が典型的な双子座(ふたご座)の性格的な特徴を備えているとともに、この星座に照応する「手」という身体器官が人生に特別な意味を持つ可能性を示しています。実際、デューラーが描写する人物の手には肌の質感や指の動きが驚くほど繊細に表現されており、中でも最も有名な作品は合掌した手のひらのみを描いた「祈る手」となっています。
デューラー「祈る手」(1508年)
精神分析の創始者ジークムンド・フロイト(1856-1939)は、誕生時に蠍座(さそり座)が東の地平線に上昇しつつある時に誕生しているためか、この星座に特有の意志の強さや人間心理への深い洞察力を発揮すると同時に、「性器」(蠍座(さそり座)に対応する身体器官)に関するユニークな学説を残しています。男性は幼児期に自分の男性器を母親に切り取られるのではないかという恐怖を抱き、女児は自分に男性器がないことに劣等感を持つというのです!
フロイトはまた、人々の夢に現れる拳銃や鉛筆、ヘビのような「長いもの」あるいは「突き出ているもの」は男性器の、箱や袋、靴、洞窟のような「中が空洞になっているもの」は女性器の象徴であり、それらは抑圧された性欲がシンボリックに表現されたものであるとも解釈しました。
20世紀最大のポップ・スターと言われるマイケル・ジャクソン(1958-2009)もまた、ゾディアック・マンの象徴をユニークに体現していた人物のひとりです。マイケルのホロスコープ(誕生時の星図)では、月(幼児的な感情)がイマジネーション豊かな魚座(うお座)に位置しており、それは彼が童話「ピーターパン」をこよなく愛し、自らも「永遠の少年」として生きたこととよく符合しています。その一方では、魚座(うお座)はくるぶしよりも下の「足」を支配する星座であることにも注目してください。マイケルがまるで無重力状態にあるかのようにツルツルと床面を滑って歩く独特のダンス・ステップで世界中の人々の度肝を抜いたことは皆さんもご存知のことでしょう。その名も「ムーン・ウォーク」(月!)(完)
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