占いコラム|トートタロットって当たるの?そもそもトートタロットとは?
2020年1月26日
巷でよく見るタロット占い。最近は様々な種類のカードがあり、占う際の見ごたえもあると思います。ただ、タロットカードの伝統的なものは3種類あるといわれています。今回はそのうちのひとつ、扱いと解釈が難しいと噂の『トートタロット』についてご紹介していきたいと思います。
トートタロットとは
トートタロットは1969年、アレイスター・クロウリーという魔術研究家(現代ではこう解釈され呼ばれることが多いと思われます)によりつくられたタロットカードです。
皆さまがよく目にするウェイト版タロットカードとは違い、わかり易い絵柄になっているとは言えません。
小アルカナはマルセイユ版のように絵ではなくトランプの「数札」のようになっており、大アルカナも抽象的に描かれているので占ってもらっていてもこちら側にはどういう意味のカードなのか、わからない事が多いと思います。
そして、思想体系としてはウェイトが基本的に中性ヨーロッパのキリスト教、西洋占星術の思想を中心に取り入れたのに対し、クロウリーはエジプト神話に見られるオリエントの信仰や、ヨガまで、たくさんの宗教思想を包括的にカードに盛り込んで作成しています。
ライダー版タロットとの違いとは?
ライダー・ウェイト版との違いは、上述のようにまず絵柄がすべて異なっていて、大アルカナは抽象的、小アルカナは数札となっています。
大アルカナには、エジプトのオシリス神と思われるようなものや、ヘブライ語などユダヤ教の神秘、それから占星術の惑星の記号なども描かれています。
それから大アルカナはともかく、小アルカナは意味さえウェイト版と異なっているものがあります。
また、トートタロットには小アルカナに名前がつけられています。(『トートの書』より)
ウェイト版の小アルカナに名前はありません。
「剣の5」、「カップの7」などと呼ばれるのが通常です。
これに対し、トートの「剣の5」は「敗北」、「カップの7」は「堕落」などと意味がきっちりあてはめられています。
あと、大きな違いと言えば大アルカナでは呼び名が、
≪ウェイト版≫
Ⅰ『奇術師』→トート版:『魔術師』
Ⅱ 『女教皇』→『女司祭』
Ⅴ 『司祭』→『神官』
Ⅵ 『恋人』→『恋人または兄弟』
Ⅷ 『正義』→『調整』
(※ウェイトは黄道12星座との対応のため『力』と順序を入れ替えましたが、トートではマルセイユ版の伝統を継いでそのままの順序にしています)
Ⅺ 『力』→『欲望』
ⅩⅢ 『死神』→『死』
ⅩⅣ 『節制』→『技』
ⅩⅥ 『塔』→『塔または戦争』
ⅩⅩ 『審判』→『永劫』
ⅩⅩⅠ 『世界』→『宇宙』
となっている事です。
特に、『審判』のカードを『永劫』にしたのは大きな違いです。
ウェイト版の『審判』は、どうみても聖書の「最後の審判」をモチーフにしているとわかります。
天使がラッパを吹き、死者が蘇るという絵柄です。
しかし、トートの『永劫』は、(アイオンといいます)〝未来永劫〟のとおり、まるで輪廻転生を思わせるような意味が込められています。
ただ、内容としてはその新しい世界も神が創るもの、というようなニュアンスですが、世の終わりははっきりした終わり、というより何度も何度も続いていくというような感じです。
クロウリー自身が、キリスト教に反感を持っていたというのはよく言われる話で、キリスト教そのものの題材というものは、ウェイトのそれと違いかなり排除されています。
もっと魔術的なものを作りたかったのでしょう。
当時の世の中がキリスト教が身近なものであったなら、それを離れると「現実的でない」、不思議な思想と思われるのかもしれません。
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トートタロットが当たるのは
トートタロットがよく当たると言われるのは、もちろん一枚ずつに基礎的な意味はありますが、かなりイマジネーションを必要とするカードに変わりはなく、例えば直感の鋭い占い師さんだったり、イマジネーション豊かなタイプの占い師さんなら、トートタロットのほうがイメージしやすいのでしょう。
ですのでトートタロットがよく当たる占い師さんは、タロットとの相性がよいのだと思います。
もちろん、逆にウェイト版のほうが断然に当たる、という方もいらっしゃいますので、ひとえに占い師さんのタイプによるものと筆者は考えます。
また、トートタロットを手にするのは比較的占いになれた中級~上級の占い師さんが多いという傾向も関係しているといえそうです。
トートタロットを扱う注意点
ここでは、実際にトートタロットを扱う際に気をつけたほうがよい点をご説明します。
といっても、占い師でない限り、自身でトートを触る機会のある方は、かなりのマニアと思います。
トートタロットは、とても魔術的要素が強いカードといわれています。
物騒な人になると「呪われる」などという人もいます。
これは製作者のクロウリーが晩年半狂人のようになってしまったことにも多少関係するのでしょうが、あまり気にしなくてよいと思います。
もし本当だと実にたくさんの方が呪われてしまっている事になります。
おわりに
いかがでしたか?
世紀の魔術師と呼ばれるクロウリーの世界観がぎっしり詰まっているのがトートタロットの魅力です。
少しでもトートの魔力に興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、さっそく入手して勉強を開始されるのもよろしいのではないでしょうか。
しかし、トートタロットの講師はあまりいないように思われます。
書籍すら、日本ではほとんど見当たらないありさまです。
とにかく難解で、知れば知るほど奥深くなるこのカード、合う人は本当にピタっとくるようです。
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