酉の市(とりのいち)どういう由来があるの?何を買うといいの?疑問をズバリじっくり解説!
2020年11月21日
11月になると目にすることがある「酉の市」。たくさんの露店も出てにぎわう年中行事です。
どういう由来があるのか?なにをするよいのか?そういった疑問を解決できるじっくり解説です。
毎年11月になると目にすることもある「酉の市」。
関東の方は特にそういう機会が多いのではないでしょうか。
今回は「酉の市とはなに?どういう意味?何が良いの?」という疑問を解決できるみっちり解説でございます。
▼酉の市(とりのいち)とは?
酉の市は日本各地の鷲神社、酉の寺、大鳥神社など鷲や鳥にちなむ寺社の年中行事の1つで、11月の酉の日に露店がずらりと並びとてもにぎやかな催しです。
この酉の市は江戸時代から続いている行事で、その起源は東京都の大鷲神社にあると云われ、近隣の農民たちが秋の収穫を祝い鶏を奉納したのが始まりだとされています。
時を経てそのお祝いの催しは商売繁盛や開運招福を願うお祭りとなり、縁起熊手や黄金餅など定番の品も出るようになりました。
酉の市は酉の祭(とりのまち)・大酉祭(おおとりまつり)・お酉様(おとりさま)など、地域によって呼び方が異なるようです。
▼酉の日って何?
酉の日とは、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の「酉」にあたる日のことをいいます。
「今年の干支は子(ネズミ)で、来年は丑(ウシ)だなぁ」とその年の干支を確認することは多いのですが、この干支は年だけではなく日付にも毎日それぞれ十二支が割り当てられていて12日おきに干支が巡ってきます。
▼2020年の酉の市はいつ?
酉の日は12日ごとに巡ってくるので年によっては月に3度ある場合もあります。
そのため、1度目の酉の日を「一の酉」・2度目の酉の日を「二の酉」・3度目の酉の日を「三の酉」と呼びます。
ちなみに、三の酉まである年は火事が多いという言い伝えがあるそうです。
2020年は、一の酉が11月2日(月)・二の酉が11月14日(土)・三の酉が11月26日(木)となっています。
寒さが増し乾燥しやすい時期なので気を付けましょうという警告でもありますので、今年の冬はいつも以上に火のもとへの留意をすると良いですね。
▼開運熊手とは?
酉の市の名物でもある開運熊手。
この熊手、もともとは酉の市で農具として売られていたそうです。
熊手のその形状が福や金銀をかきあつめるものに見立てられたことが起源となり、開運熊手として酉の市に定着していきました。
開運熊手には商売繁盛や開運招福の願いを込め、大黒様に鯛に米俵などなど、縁起が良いものがたくさん飾られます。
この開運熊手は毎年、前の年よりもひと回り大きなものに買い替えると良いとされています。
最初から大きな熊手ではなく小さな熊手からスタートするとよいですね。
そして熊手を購入する際は値切れば値切るほど縁起が良いとされています。
が、実際に値切った金額で購入するのは「粋じゃない」そうです。
値切って値切って、そのやりとりを楽しんで頃合いを見て商談を成立させつつ、最初に聞いた金額で支払います。
値切った分は売り手に「ご祝儀」として渡すというのが粋な買い方だそうです。
購入する側は「値切ったけど元々の金額で購入し、ご祝儀として渡した粋な行為」を楽しむことができ、売る側は「最初に言った値段で売ったけど、値切った分をご祝儀として頂戴してなんだか得した気分」となり、双方良い気持ちとなるという塩梅のようです。
▼開運熊手の飾り方は?
購入した熊手は、たくさんの服を書き込むように高く掲げて持ち帰ります。
開運熊手はビニールにかけられていますが、飾る際はビニールをかけたままでもよいですし、取ってから飾ってもよいです。
ビニールをかけたまま飾るにしても取って飾るにしても、ほこりや汚れを都度払って綺麗な状態にしてあげましょう。
開運熊手は自分の目線よりも高いところに飾ることでご利益が高まると云われています。
目線より高いところと言っても天井にぴったりくっつけるのはNGです。
天井にぴったりくっつけてしまうと気の流れを止めてしまうことになるので、運気が流れる場所を作るためにもぴったりではなくゆとりを持った場所に飾りましょう。
トイレや汚れやすい場所は避けましょう。
また、飾る方角(熊手の正面がどの方角に向いているか)で意味が異なるそうです。
北は避けた方が良いようで、仕事運や勝負運には東・金運や財運には西・地位や名誉には南に飾ると良いのだとか。
また、神棚がある場合は神棚に飾るのが一番良いようです。
その際は特に方角は気にせずに飾って良いそうですよ。
神棚がない場合は「福を呼び込む」と言われている玄関に飾るのもよいでしょう。
その際は目線よりも上の高さ・熊手の正面を入り口に向けて飾るとよいそうです。
▼酉の市を開催している著名な場所
・大鷲神社(東京都足立区)
江戸酉の市の発祥の神社とされています。
・鷲神社(東京都台東区)
関東三大酉の市のひとつで日本最大の酉の市・浅草酉の市が行われます。
・酉の寺・長國寺(東京都台東区)
浅草酉の市の発祥の寺とされています。
・花園神社(東京都新宿区)
合祀された大鳥神社の祭りで関東三大酉の市のひとつです。
・大國魂神社(東京都府中市)
境内末社の大鷲神社の祭りで関東三大酉の市のひとつです。
酉の市はお正月の準備の始まりを告げる風物詩とも云われています。
こういう時期ですので今年の開催はどうなるのかは不明ですが、こういった行事があることを知ると「年末年始に向けて準備を始めようかな」と思うきっかけになりますね。