よく聞く言葉、ボイドタイムって何を意味するの？

 

「あ～、今ボイドタイムだからね～」占星術を勉強すると、聞こえてくる言葉。
ボイドタイムの意味する事って、なんなのでしょうか？良い事なのか？悪い事なのか？よく分からないけれど、気になっている方に書いてみました。
 

占星術を勉強し始めると、次々と新しい言葉が出てきます。
理解できる言葉もあれば、解説を読んでも理解が難しい内容もあります。
また、同じ意味なのに言葉が違っていて、何が違うの？と思う言葉もあります。
そんな言葉の中で、よく聞く言葉のひとつに「ボイドタイム」があります。
今回は、ボイドタイムについて考えていきたいと思います。

 

よく言われる、ボイドタイムは「Void Of Course The Moon」といいます。
英語の辞書で「Void」は「中身がない」「効果がない」「役に立たない」という意味が書かれています。
「月が役立たない」「月の効果がない」と訳すイメージです。

 

そして、先ほど説明した通り、ボイドタイムの事を別名で「ムーンボイド」と呼ぶこともあります。

占星術の中での「ボイドタイムの定義」は「ある星座の中で、天体がメジャーアスペクト(０度、６０度、９０度、１２０度、１８０度)という角度を他の天体と取らなくなり、次の星座に入るまでほかの天体の影響を受けない時間帯」です。という事は、ボイドタイムは、全ての天体で起こります。

 

この意味だと、全ての天体に「ボイドタイム」があるのにボイドタイムといえば、「月のボイドタイムの事」と言われるのはどうしてなのでしょうか？

 

占星術は紀元前から研究され、脈々と受け継がれてきた学問です。
たくさんの占術師が試行錯誤を繰り返し、占断を行ってきた中から現在でも有効な方法が残ってきたものです。

 

その中で、月は人の感情と直結し、月自体も地球から一番近い天体なので移動する時間も早く、人に影響を与える感覚がほかの天体よりも強く感じる事が多かったのでしょう。
そして、ほかの天体のボイドタイムよりも起こる回数が多いので更に、頻繁に体験することになります。
こういう流れの中で、「月のボイドタイム」だけがよく言われるように残って行ったのでしょう。

 

占星術でいう、月という天体の意味から掘り下げてみると「月は感情を表す天体です」と習います。
そして地球に一番近く、潮の満ち引きなどの影響を与え人の心にも影響を与えるのです。

 

実際に、新月や満月には出産が多かったり、体調や感情の起伏が普段よりも大きくなるといわれます。
ただ、この状況に気付ける人、気付きにくい人がいて無意識に影響を受けていると考えられます。

 

人は、動物にはない「大脳新皮質」という部分が作られ「理性」「言語」「知性」というものを手に入れましたが大脳辺縁系が無くなったわけではないので、感情や記憶に関する機能も、しっかり持っています。

この記憶や感情の部分に担当される天体が「月」で表されています。

月の意味が「感情」「無意識」「本質」などといわれるのと繋がってきます。

 

 

その月が、どの天体からも影響を受けない時間と言われるのが「月のボイドタイム」。
どんなことが起こりやすい、現在も有効な説だと言われているのでしょうか？

 

感情が影響を受けない状態って、どんなイメージですか？
思いついた事が、その人それぞれの本質的なイメージです。
少しイメージしてみて下さい。

誰にも邪魔されず、自由にリラックスしても良い時間にどう行動して、どういう体験をしたいと感じますか？

月は感情なので、「考える」ではなく「感じる」イメージなのですが例えば、

「予算を気にしないで、ほしいもの買ってしまおう」

「体重を気にせずに、好きなもの食べよう」

「これカワイイから欲しいな、買っちゃおう」

「時間を気にせず、寝たいから寝よう」

「自分の気持ちが湧き上がって来たから告白しちゃえ」
他にもいろいろな気持ちが出てきたと思います。

 

普段は

「予算を超えるから」

「ここまでダイエット頑張ったから」

「予定があるから何時に起きないといけない」

「相手がどう思っているか分からないし」

などと、抑制してしまう部分ってあると思います。

これが取り払われたイメージと想像してみて下さい。
「この抑制しているものが取り払われた状態になりやすい」と言われているのが、「月のボイドタイム」です。

この状況から、「大きな契約ごと」「会議」「約束事」「重大な決断」をしない方が良いと言われています。
イメージを見て頂くと、こんな気持ちの状態で行うのはちょっと怖いな……と感じる事も多いでしょう。

 

では逆に、行っても良い事とは、どんなことでしょうか？
先ほどのイメージ通り「自由に好きな事をして、かまわない状況の事」なら思う存分、行う事が出来るでしょう。

 

今から３００年前までなら、占星術の通りボイドタイムは、こういうことは避けようと全員一致で取り決められた事もあったでしょう。
占星術が、政治や様々のものの基本となっていた時代なら受け入れられていたという事です。

しかし、現代は目の前の事が優先です。
３日に１度の割合で、しかも天体の状況によっては１日中ボイドタイムが起こる事もある状態で星の動きに合わせた時間を作り出すのは「至難の業」です。

 

そして、人類の産業革命によって科学技術が進み、天体望遠鏡の技術が飛躍的に上がり天王星や海王星など新しい天体も発見されてきた今、占星術の世界でも、運命論だけではなく自らが天体を使いこなす時代へと移りつつあります。

 

理由と対処法が見えてきた現代、現象をただ恐れるだけではなく対応するには、どうすれば良いか？と新しい使い方を試行錯誤できる状況に少しずつ変わってきています。
環境や思考能力も飛躍的に安定し始めているというように考えられます。

 

現在の考え方としてボイドタイムは、「信号機が機能していない時間」というイメージ。
だからと言って、その道を渡れないわけではないのです。
点滅した信号機がある場所を「よく見て渡る、注意して渡る。」そうすれば、渡ってしまえる普通の道。
信号機が普通に動いていて、順序良く機能している時間ではないけれどしてはいけない事は、それほど多くはない様に思えます。