タロット占いは、相談内容によってスプレッ ドを使い分けよう!
2019年9月21日
タロット占いは、実は非常に自由度の高い占いです。
その占い方は1枚引きから全てのカードを使用する方法まで様々で、場合によっては自分でオリジナルスプレッド(展開法)を作ることも可能です。
現役占い師でもあり占い講師も務める筆者が、初心の方でも使いやすいスプレッドを伝授いたします。
展開法(スプレッド)とは?
スプレッドとは、タロット占いで使う用語のひとつで展開法のことです。
これはルールに従って机上にカードを並べる事を指しています。
スプレッドには伝統的に昔から使われているものもあれば、古い時代のオカルティストや占い師などが作ったものもありその数は膨大です。
時々スプレッドを用いることなくタロットで占いをされる占い師さんもいますが、やはりその時々に応じた展開法を使用して占断を進める事は、タロットの歴史の流れから見てみても、正当であると同時に1番タロット占いの有用性を活かせるものだと筆者は考えています。
そういった見地から、より多くのスプレッドを学ぶことは、タロット占いの腕を向上させるとともに、相談者のニーズによりマッチした占いを実践するために大きな意味のあるものだといえるでしょう。
この機会にスプレッドを学ぶことに興味を持っていただき、今まであまり展開法にこだわらなかったかたも、是非様々な展開法にチャレンジしてみていただきたいと思います。
基本の展開法(スプレッド)
基本的にタロットのスプレッドは、汎用性の高いものが多く、そのほとんどの割合を占めています。
まずは、手始めにそういった「どのような問題にも使用できる」スプレッドをいくつかご紹介してみたいと思います。
※キーカードとは、文字通り「1番の鍵となるカード」です。カードを展開したら、まずキーカードをみて全体のリーディングの流れとポイントを把握するのがプロのテクニックです。
●ホースシュー・スプレッド●
イングランド生まれで、タロット、オカルト・シンボリズム、ユング心理学、魔術体系等に造詣が深いアルフレッド・ダグラス(Alfred Douglas:1942~)が「タロット~その歴史・意味・読解法~」の中で紹介した、応用範囲の広い展開法です。
7カードスプレッドとよばれる事もあります。
(似た名称のスプレッドが他にもある為)
シャッフル・カットの後に、1~7まで順に表向きに展開していき、リーディングを行います。
2:現在の状況
3:未来(今後の展開予想)
4:手段・最良策(対策・とるべき行動)
5:本人の態度・心理状態
6:妨害・障害(影響を与えているもの)
7:最終結果(キーカード)
◎枚数は7枚と少ないですが、質問者の本心や影響を与えていることなどがわかり、より詳しく状況を把握しながら占いを進めていくことができるスプレッドです。
●結末スプレッド●
展開後の形は、有名な「ヘキサグラム法」と全く同じスプレッドですが、カードを展開する順番、各ポジションの設定が異なります。
様々な問題について占う際に応用が利く展開法です。
2:問題の原因、吟味すべき事等
3:過去の影響
4:未来(今後の展開予想)
5:対策・とるべき行動
6:環境・周囲の状況
7:結末(キーカード)
◎各ポジションの内容は「ホースシュー・スプレッド」に似ているところもありますが、さらに現時点での「問題の原因や背景」「吟味すべき事」等のポジションがあるため、また違った有用性の高いスプレッドであると言えるでしょう。
●ケルティッククロス スプレッド●
多くの解説書に掲載されている、大変ポピュラーなスプレッドです。 ケルト十字法、ケルト十字スプレッド等の名称で紹介されている事もあります。
恋愛、人間関係、仕事、金運等々、あらゆる問題に応用が利きます。
各ポジションのカードを、キーカードに結びつけてリーディングを進めていきます。
※「2」のカードは、左側が上、右側が下になるようにレイアウトします。
※全てのカードを展開した後に「8’」を追加することで、相手の本心やその理由などをさらに掘り下げてみることもできます。
2:影響・妨害、または助けとなること
3:表面的・顕在的・現実的なこと
4:潜在的・内面的なこと
5:過去
6:未来(今後の展開予想)
7:本人の心理・態度
8:周囲の状況・相手の態度
9:期待や怖れ
10:キーカード(最終結果)
◎よくタロットの入門書などに紹介されている展開法ですが、筆者はむしろ上級者向けの複雑なスプレッドだと考えています。少しタロットに慣れてから挑戦してみた方が良いでしょう。
相談内容別の展開法(スプレッド)
次に相談内容別のスプレッドをご紹介します。
2つの選択肢で迷っている時に
●二者択一法●
2つの選択肢のうち、どちらを選ぶべきか判断する際に用いるスプレッドです。
※以下が各ポジションの表す意味ですが、市販されている書籍やその他の解説によっては、使用枚数が違っていたり、各ポジションの内容が少しずつ違う場合もありますので、自分の一番使いやすい方法を選んでも構いません。
2:Aという選択肢を選んだ場合の状況(経過)
3:Bという選択肢を選んだ場合の状況(経過)
4:Aを選んだ場合の結果
5:Bを選んだ場合の結果
◎2つの選択肢のどちらかで迷って相談をされる人は多くいらっしゃいます。そのような時に是非活用していただきたい展開法です。
恋愛問題のご相談に
●ラヴァーズ オア デス●
「恋人」「死神」「悪魔」のカードを特に重視する、恋愛・愛情面に関する事を占うスプレッドです。
「恋人」が出た場合は、上手くいくか既に深い仲になっている事を、「死神」が出ると破局が訪れるか1度別れた後、「悪魔」が出ると激しい熱愛である事や人生に重要な影響を与えるとみます。
「恋人」と「死神」が同時に出た場合は、成功と失敗が交互にくる等、状況に波がある事を、またどのカードも出てきていない場合は、特に重大な局面の到来や大きな変化はないと判断します。
※キーカード以外は、各ポジションのカード2枚ずつを連鎖読みしながら、全体的なリーディングへとつなげていきます。
4・8:相手の心理状態
5・9:クライアント(相談者)の心理状態
3・7:隠れた問題
2・6:対策・とるべき行動
◎特別な3枚のカードが出てこないこともしばしばあります。その場合は、通常通りの恋愛占いとしてリーディングを進めて構いません。
総合運をみたい時に
●ホロスコープ スプレッド●
占星術を応用したポピュラーなスプレッド。総合的な運勢をみるのに最適です。
※()内は、カードを展開する順番です。
(外見上に表れる個性・体質・容姿) 2:金運・所有物(動産)・価値観
(収入源、利益を得る能力) 3:連絡・地域社会・教育・兄弟姉妹・短距離旅行
(短距離の通信、精神的興味、知識、隣人、親類) 4:家族・家庭・母親・不動産
(遺伝、出生地または現住所について、世襲財産) 5:娯楽・恋愛・スポーツ・子供・ギャンブル
(芸術、創作、創造、投機) 6:仕事・健康・上司・部下・伯父・伯母
(病気、就職、勤務状態、ペットについて) 7:結婚・パートナー・人間関係・配偶者
(トラブル、移転先について、祖父母、試験、応募) 8:生と死・遺産・遺言・セックス・生殖能力
(他人から与えられる財産、配偶者の財力) 9:長距離旅行・高等教育・宗教・哲学
(遠距離の通信、教養、精神的に興味を持つこと) 10:社会生活・仕事・地位・親(特に父)
(適職、天職、業績、名声、学識) 11:友人・クラブ・サークル・希望・願望
(一般の団体、知人、母親の富) 12:障害・秘密・隠されたもの・潜在意識
(退職、入院生活、運命的な束縛、予想外の敵) 13:総合的な運勢
(キーカード)
◎各ポジションのカードを中央のキーカードに関連させてリーディングしていきます。相談者の求めによっては、必要な部分のみリーディングしてお伝えしても良いでしょう。
沢山の展開法をおぼえよう!
いかがでしたでしょうか。
このようにタロットのスプレッド(展開法)といっても、これだけ様々なものがあるのです。
必要に応じてスプレッドを使い分けるのは、まさにプロの技であるともいえるでしょう。
より多くのスプレッドを使いこなせることは、タロット占いをする上での大きな武器とな
ります。
どうぞ皆さんも沢山の展開法を覚えて、ひと味違うタロット占いをできるよう頑張ってみ
てくださいね。